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文部科学省TOSS受託事業

事業内容

事業内容

本事業の概要

 本事業は、平成28年度文部科学省委託事業として、特定非営利活動法人TOSS(理事長 向山洋一)が受託し、行うものである。
昨今、授業中、児童・生徒の問題行動にうまく対応できず、学級が荒れるケースが散見される。主要な原因として、教師の授業力の不足が挙げられるが、本事業では、授業力を構成する要素を探り、向上のための具体的なトレーニング方法を確立することを目的とて、以下の事業に取り組んだ。

1 教員の基本的な授業力を構成する要素を抽出する。
2 参考テキストと動画を作成する。
3 基本的な授業力を検定するセミナーを実施する。
4 指標の効果を検証するためのアンケート調査を実施する。

課題認識

授業の中での児童・生徒の問題行動にうまく対応できず学級が荒れていくケースがある。原因は様々あるが、主要なものの一つは教師の授業力である。子どもを熱中させる授業、ひき付ける授業、できない子ができるようになる授業、等々を実現する力量のある教師の学級は荒れることが少ない。教師のこのような授業力を構成する要素を探り、それを向上させるための具体的なトレーニング方法を確立することが急務である。

本事業の目的

 教師の経験則として、子どもを熱中させる授業、ひき付ける授業、できない子ができるようになる授業、等々を実現する力量のある教師の学級は荒れることが少ないことが知られている。平成27年12月の中央教育審議会の答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について 〜学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて〜」においても教員育成指標の策定が謳われている。とりわけ1〜数年目の教職の基盤を固める時期において、どのような資質や能力を身につけるべきなのかを教員は必ずしも明確に意識していないことが多い。各学校種や各地域の実情によって異なることは当然だが、ごく基本的な授業力に関しては非常に具体的な要素が共通して存在するということも想定される。教師のこのような授業力を構成する要素を探り、それを向上させるための具体的なトレーニング方法を確立することが急務である。本調査研究では、こうした授業力構成要素についての仮説を設定し、模擬授業検定等を通してその効果を検証することを目的とする。

本事業の具体的内容・取組方法

1.教員の基本的な授業力を構成する要素を抽出する。
(1) 例えば次のような諸点が想定される。
①あたたかな表情
②子どもへのアイコンタクト
③クリアで明るい声
④心地よいリズムとテンポ
⑤教師の立ち位置や動線
⑥子どもへの対応・応答
⑦明確な発問と指
⑨授業開始局面での流し方
⑩余分な言葉の削除
⑪授業の組み立て
⑫その他
(2) 先行研究からこうした内容の妥当性を検討する。
(3) カテゴライズして基本的授業力構成要素の指標を仮説として作成する。

2.参考テキストと動画を作成する。
(1) それぞれの指標を教員が自分で学び、トレーニングするための簡易なテキストを開発する。
(2) 下記セミナー開催時にベテラン教員による実演の動画を撮影する。
(3) テキスト、動画とも電子媒体で提供する。
(4) Webからダウンロードできるようにする。

3.基本的な授業力を検定するセミナーを実施する。
(1) 参加者に模擬授業を実演してもらう。
(2) あらかじめ設定した各構成要素にしたがって得点化する。
(3) 評定にあたってはベテラン教員複数による観察やビデオ撮影による検証など、可能な限り客観性を保つようにする。

4.指標の効果を検証するためのアンケート調査を実施する。
(1) セミナー受講者を対象とし、事前と事後にアンケート調査を実施する。
(2) アンケートのアドバイザーとして専門家を依頼する。
(3) アンケートを分析し、指標の修正、及びセミナーの組み立てについて検討する。